頭は「本の読み方」で磨かれる 茂木健一郎著
〈内容〉
「本を読む」ことはどう重要であるのかを説いた一冊。
茂木健一郎なりの「本の選び方」「味わい方」「実践への繋げ方」を明らかにしたもの。
『人が成長すれば本も成長するのであって、その意味で本は「自分という人間の成長を映す鏡」でもあります。』
これが自分の頭で考える力をつける第一歩
【読んだ本の数だけ高いところから世界が見える】
- 「本を読む」ということは「自分の経験を増やす」こと。
- 読んで巨人の肩に乗る。→頭の中に蓄積することで発酵し「知性•経験」として定着する。
- 本は著者や編集者など何人もの知恵が凝縮され、練り上げられた文章の塊である。
【「優等生」ではなく、「オタク」を目指す】
- 情熱は脳の最強のエンジン。→オタクの人は皆「自信を持って情熱だけはあると言える」
- 本当に好きなことにのめり込んでしまうことが充実した学びを得られる1番の近道→「情熱」は「優等生」であることよりも、ずっと重要。
【「知的な付加価値を作れる人」の頭の中】
- 自分で世界を変えるような技術を生まなかったとしても、自分で世界の動きを知る力を身につけておくことは大切。
- 一冊の本というのはたとえその全てを理解する事ができなくても、十分に「今、世界で起こりつつあることの雰囲気」を伝えてくれる。
- どうしたらコミュニケーションが上手くいくかという「こと」や、頭が良くなるかという人生の「こと」に関しては、説明書を読むだけでなく、経験しないと本当の意味は分からない。
自分を成長させてくれる本の見つけ方
【なぜいい本は「会話のネタ」になるのか】
- 「いい本」の見極めポイントは「それについて語りたくなるかどうか。
- ベストセラーは口コミによってつくられる。
- 情報収集は「弱いつながり」から→人間は「○○がないと幸せになれないのでは…」と一つのものにこだわって逆に不幸になる(フォーカシング•イリュージョン)。
- 重要な情熱というのは弱い関係の人達からもたらされる事が多い→苦手な人、ご近所のちょっとした知り合い、そういう人達ともゆるくつながることが大切。
- 「雑談する力」というのは、人間の持つ「圧倒的な知性」
【脳には「雑食」がよい】
- どんなネタがいい仕事に繋がるか分からないところが、人間のおもしろいところ。
- どの本がどう役に立つかという事はわからないけれど、たくさん本を読むと、それが腐葉土のように発酵して脳の中にいい土壌ができる。
- 何が自分の役に立つかということは、本当はわからないもの。
- 「すべてが正しい本」は存在しない→著者が力を尽くして書いた文章にできるだけ多く接し、自分の中に新しい何かを育てていくこと。それが読み手が実践すべき「学び」である。
【「複数」を「同時進行」で】
- 「読書を習慣にするコツ」は、真面目すぎずいい加減に。→「あんまり気が乗らない」という本を、何日もかけて最後まで読み通さなくてよい。
- 自分の感覚(センス)を見つける、自分の判断力を見つける→どんな偉い人の意見も、どんな絶対と言われている教科書も「One of them(無数の中の一つ)」にすぎない。
- コピペは脳を劣化させる。
- 速読を使いこなす→速く読んで50%くらい分かれば十分。
- 「飽きちゃう」本はサクッと読んで次へ行く→面白そうな見出しがあれがその項目は重点的に読む。全体的にパラパラとめくり、「だいたい」のポイントを把握する。
〈感想〉
「本の読み方を知る」本を読んだのは初めてだった。読書の手引き書としていいと思う。